51.「変化には対応するけれど、先を急がない」~とある経営者への取材から学んだこと~ | 株式会社 鈴木商会

51.「変化には対応するけれど、先を急がない」~とある経営者への取材から学んだこと~

非公開の会員制ビジネスサイトのコラムを執筆している筆者は、たまたま、取材で既に70歳を超えた、家電製品や重電製品などを一般生活者や企業に供給する企業の経営者のお話を聞く機会を得ることが出来た。

 少数精鋭で、従業員はわずか、10人程度の企業であるにも関わらず、年商は20億を超えるという優良企業。

 Web集客に様々な技術を駆使し、ほぼ営業活動ゼロで、受注供給の仕組みを構築。

 取材前は瀟洒なオフィスビルを想像したが、訪れてみると、築30年以上の一般家屋を改造したアットホームなオフィス。

 T社長は実に、柔和な笑顔で、筆者を迎えてくださった。

「笠原さん、今、時代の変化のスピードは物凄く速いでしょう。」

「ええ、色々と僕もそうした情報や知識を得るのに苦労しています。」

「でも、お客様は“人”ですし、“人”ってさほど変わってないんですよ。」

意外な話題から、取材はスタートした。

 T社長の社業の軌跡とは…。

 当初は、所謂、街の電気屋さんとして創業したが、たまたま重電分野に関して事業継承者を見つけることができなかった、経営者の方から相談を受け、自ら

が、事業経営者として、その企業を譲り受ける。

 しかし、蓋を開けてみると、重電分野には、既に大手が市場を席巻していて寡占状態。そこでT社長は、地域で開催される街おこしイベントに目を付け、ジェネレーターの供給や、イベントにおける電気の供給を行う事業を大手より格安で受注するということに成功。

 評判が評判を呼び、こうしたイベントの主催者である、自治体やマスコミを顧客として開拓し、実績を重ねてきた。

「結局、私たちの商売は、人をお相手としている。今、すべての受注管理をWeb上で行っていますが、当然、施行に行けば、お客様との対話がある。お客様

はいい仕事をすれば褒めてくださるし、下手な仕事をすれば叱られる。一つ、一つの仕事を、気を抜くことなく丁寧に重ねる。従業員のみんなにはそれに専念できるように環境を整えようということでWebにシフトしていったんです。」

「一つ思うんですが、皆さん、何か新しいことを取り入れれば、すぐに成果や結果が出ると思われているようだし、世の中、流れ、変化のスピードが速いから、それですぐに結果を求めるでしょう。一つ何かソリューションを導入したらある程度、時間をかけて、その質を見極め、必要に応じてチューンナップする。こうした我慢も必要だと思うんです。技術や製品というのはどんどん新しくなる。けれど、人の気質ってのは、そうそう変わるものじゃない。だから、あまり先を急いで、結果が出ないからと言って小手先のことをチョロチョロ変える。また、勿論、従業員のみんなにも新しい製品に対する知識というものは学んでもらわなければならないけれど、商売に根幹に関わる部分は変えてはいけない。

 変えるべきものと、変えてはいけないもの、それをわけで考えて、整理していかなきゃいけないと思うんですよね。」

「変化、進化、スピードという言葉が躍って、なんだか、変わらなきゃならない、変えなければならない、そんな世の中に蔓延する雰囲気に惑わされていると、本当に大切にしなければならないものまで、捨ててしまうことになる。そりゃ、本末転倒で、結局、そこに足元を掬われて大変なことになる。だから、「「変化は大事だけれど、先を急がない。」」そんなことを心がけています。」

 Webマーケティングの世界において、まさにその変化のスピードに筆者も翻弄されている。

 そんな中で泰然自若としたT社長に対峙して深い学びを得る機会となった。

「変化は大事だけれど、先を急がない。」

 人は何かと変化や進化という言葉に踊らされて、成果や結果を拙速に求めてしまう。そうした中で、我慢や、辛抱ということが失われているような気もする。

 ライフハックという言葉に象徴されるように、今、人は様々な利便や効率を求めて、“我慢”や“辛抱”をしないで済む方法をどんどん生活に取り入れている。

 そうした“我慢”や“辛抱”を手放すことで、心豊かな時間の創造や、何か他に生産性を高めることに、その時間を活かしているだろうか?

 せっかく手に入れた時間が“充足”や更なる“探求”に与えられているかと言えばそうでもなく、更に更に、“結果”や“成果”を求めて、どんどん、窮屈になっているようにも、思う。

 この取材で、筆者も、成果や結果を求めるあまり、まごついて根幹が揺らいではいないかと、激しい自省を行うことになった。

「まぁ、あんまり難しいことを言うつもりはないけれど、今の若い人たちは、強い精神性みたいなものにあまり興味をいだかないでしょう。たぶん、商売で歓びを感じるというのは、単純にお客様に歓んでもらうことなわけであり、それであれば、お客様がどんな人なのか?そこに興味、関心を傾けるのが、商売を長く続けるコツだと思うんですよね。様々なお客様との出逢いの中で、多くの人の精神、思想、哲学のようなものに触れる。仕事をしているとそういう歓びに触れるものです。でも、最近、人よりもPCだのスマフォだのが好きな人が多いみたいで。

そんな人ばかり増えると、世の中どうなるんでしょうね?」と…。

 そう“仕事”とは人に触れること。“商売”とは人に歓びを齎すこと。

 これはどんなに時代が進化しても、技術が進歩しても、変わることのない普遍の真理であると、筆者も深く頷くことになった。

 

 

 

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