65.是枝裕和監督「万引き家族」でパルムドール受賞!~今、問われる“家族”とは? | 株式会社 鈴木商会

65.是枝裕和監督「万引き家族」でパルムドール受賞!~今、問われる“家族”とは?

 先日、カンヌ国際映画祭で、最高賞とされるパルムドール受賞したのが、是枝裕和監督作品の「万引き家族」。

 肥大化した格差社会における、置き去りにされた家族が描かれた映画とされているが、ここには所謂、この日本における現代の縮図が濃密に描かれていると、僕は読んでいる。

 ここにおけるテーマとは、“家族の団結”なのだが、ここに描かれている家族とは所謂、血縁としての家族ではなく、“生き残る”という目的を果たすために、結集した小さな集団である。

 今、政治の混乱が続く中で、重要な社会課題を解決するための施策が、政府、行政からはまったく生まれてこないという、危機的状況を迎えるにあたり、強い者はますます強固になり、弱い者はますます弱体化し、本来、それを救済するために機能しなければならない政策が実現の方向に向かっていないのが現状である。

 大企業優先で、日本の大多数にある中小、零細企業、そして、今後ますます増える傾向にある小資本のベンチャーやフリーランスにとっては、極めて厳しい困難が続いている。

 是枝監督が描いた、“生き残る”という目的を果たすために、結集した小さな集団“…。これからをサーバイブするにあたり、ある種の重要なキーワード

になると、僕は考えている。

 今、結局、何が問題なのか?という事を顧みた際に、“格差”が引き起こす“分断”にその要因があることを今、僕はあらゆる場面で痛感している。

 今、それぞれの人が、それぞれの立場から、政府や行政、メディアに対して批判を高めている。勿論、批判から導き出されるこの社会における課題を詳らかにすることは重要なのだが、結局、それは不平、不満の表出から逸脱することが出来ず、それこそ、それを建設的に解決するための具体的なソリューションが欠落している。

 そして、互いが互いの理解を深める、歩みよる姿勢が欠落し、結局、何も生み出すことのない不毛な議論が続いている。

 この国が、敗戦からの復興という命題を達成し、まかりなりにも一時期、世界第二の経済大国に躍進できたその理由とは、所謂、共同体としての強固な団結にあった。

 日本的経営とされた、年功序列、終身雇用は、企業が成員をまさに“家族”として扱ったことで、安心や安定が保障され、心おきなく仕事に邁進できる環境が整っていた。

つまり、人口も資源も少ない、この日本に競争力が備わったのは、“敗戦からの復興”という大命題に向かって、一致団結した、共同体、まさに日本全体がまるで“家族”であったことによって達成されたといっても過言ではない。

しかし、バブル崩壊以降の小泉構造改革以降、“日本の良き、文化、精神”は悉く剥ぎ取られ、アングロサクソン的な、過度な競争と個人主義、能力主義を信奉する声に押され、“家族”は崩壊した。

そして、これから先、国家としての命題を達成し、新たな目標を見失って以来、迷走を続けてきたこの国は、強国や大国としての復権を果たすことなどもはや幻想にしか過ぎないとしても、国家として存続するためには、やはり、“家族化回帰”しかその道はないようにも思われる。

しかし、もはや、価値や嗜好が多様化し、分断も進み、バラバラなこの国が、“全体として一つにまとまる”というのはかなり困難である。

そこで、是枝監督が示した、「“生き残る”という目的を果たすために、結集した小さな集団“」=「明確な課題達成を目標とする小さなコミュニティ」が形成こそが、重要な課題であるように思われるのである。

本来は、それが企業=会社=組織であるべきところである。しかし、“労働”に対する意識変容が進み、“仕事第一主義”なるものが、敢然と否定される世の中になり、“働き方改革”が進み、“副業推奨”がすすめば、もはや、企業=会社=組織は求心力を持たなくなる。

であるならば、人、それぞれが自分の人生を豊かにするための“仕事や会社”以外の糧を持ち、共通の糧を持ち得た人同士で形成されたコミュニティに身を置くことで、互いが労わりあい、励ましあい、助け合う、居場所が生まれ、ようやく安寧なるものが実感できるようになる。

つまり、こうしたコミュニティの構築やコミュニティへの参加こそ、ある種、サーバイブしてゆくために必要な要件となるように考える。

 2011年3月11日…。

 東日本大震災の発生は、本来、日本がひとつになる重要な契機となるべき天災であった。

 しかし、未だ叶わぬ被災地復興やある意味、被災地を置き去りにしてしまった、政府、行政、メディア、そして国民の今を見れば、もはや共同体の崩壊を現実として受け入れざるを得ない。

 新たな制度、仕組み、システムの再構築を、もはや、政府や行政に求めることが出来ない今、これからの未来を価値あるものに変えてゆくためには、新たなカタチでの団結が必要であると、僕は思う…。

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