43.「ビットコイン、一夜にして暴落…。~新自由主義に基づく金融至上主義の危険について考えてみる~」 | 株式会社 鈴木商会

43.「ビットコイン、一夜にして暴落…。~新自由主義に基づく金融至上主義の危険について考えてみる~」

先日来、とある会員制ビジネスサイトでのコラム執筆の依頼を受けて、ビットコインをはじめとした仮想通貨の動向に関して取材を続けてきた…。

 それは、「果たして投資対象としての金融商品として価値」のあるものなのかどうなのか?ということを見極めるというのがミッションであったわけだが、筆者が下した判断としてはNo…。

 その理由は、

 1. インターネット上で発行され、取引される実体として存在しない通貨であるということ

 2. 中央銀行=日本でいえば日銀が発行している通貨、貨幣と異なり、その価値が保証されているものではないということ

 3.為替取引や株式取引のように法整備や規制が十分ではなく、消費者保護の観点から、様々なリスクがあり、機関投資家や法人投資が見込まれるわけではなく、一部個人投資家間の投資に留まり、ボラティリティ=価格変動率が圧倒的に高い。

 4. 取引時間が決まっているわけではなく、1日24時間、1年365日、相場が変動し、利益を確保するためには、短時間での売り買いを繰り返さなければならない…。

 これらが取材から得て、仮想通貨を投資金融商品とすることには様々なリスクがあるということで、余剰資金を預ける投資対象としては決して最適とは言えないのではないか?という結論を導き出した。

 更に、仮想通貨に関しては、韓国、中国、ドイツ、アメリカなどで様々な規制が敷かれ警戒感が高まっているのと同時に、ICO=Initial Coin Offering:イニシャル・コイン・オファリング/新規仮想通貨公開=資金調達をおこないたい企業やプロダクトチームなどが「仮想通貨を発行して資金を調達する」次世代の資金調達方法といえるこの手法に関しても同様に、ストップがかかっている。

 では日本ではどうか?

 実はこの仮想通貨の出現とその対応に関して、財務省、金融庁ともに、対応が遅れているのが実情…。

 昨年、2017年10月に、ようやく、改正資金決済法の施行に伴い、利用者保護や資金管理体制などの観点から仮想通貨取引所を開設する際は登録が義務付けられたものの、ある種野放しの状態が続いているといえる。

 そのような懸念があるなかで、世界的機関投資家である、ウォーレン・バフェットが、2018年1月10日に、米CNBCの経済番組の中で「仮想通貨についていえるのは、いつか悪い結末を迎えるということだ。それがいつどう起こるか等それ以外については分からない。」とインタビューに答えたことが、ブルームバーグでも紹介されたことや、韓国での仮想通貨取引自体を政府が認めないという報道が出たこと、更に、中国、香港、シンガポールなどの投資家が、仮想通貨を現金化するために売りが相次いだことが起因してか、このコラム執筆前日の2018年1月17日には、ビットコインが前月比50%の暴落を記録した…。

 勿論、これでビットコインバブルが崩壊したと結論づけることは尚早ではあるが、とにかく仮想通貨のボラティリティ=価格変動率は、株式市場やFX市場に見られない激しい変動を見せている…。

 これらのことを考慮すれば、一般の事業主や企業経営者が、余剰資金をビットコイン投資によって、増収を目指すにはあまりにもリスクが高すぎると懸念している。

 しかし、筆者が懸念するのは、仮想通貨取引所が新規口座開設を促すためにあの手この手で無知なる消費者をまるで騙すかのように、新規会員獲得に躍起になっていることである。

仮想通貨取引のハードルは低く、仮想通貨取引所に本人確認書類等を提出することで、口座開設が可能ということで、若年層や二十代前半の若い世代の投資者確保に関しても、ある種、手段を択ばずというところもあり、なんと、あの人気アイドルグループ欅坂46の武道館ライブでは、ビットコインで決済を行うプリペイド型のクレジットカードを保有する会員のみが、先行発売の権利が獲得できることが発表され、先行発売特権を受けようとして、プリペイド型のクレジットカード会員に応募が殺到し、仮想通貨取引所側の対応が追い付かないという事態も発生している…。

また、インターネット上では、仮想通貨取引の有用性を謳い、そこで得た利益で贅沢三昧の生活をS.N.Sやブログで紹介する個人投資家も現れているのだが、それら仮想通貨が実存しない、もしくは日本では取引できない(=日本で取引可能な仮想通貨は、ビットコイン、イーサム、リップル等10種類で、それ以外はインターネットの海外の取引所での売買は可能)もの扱うなど、仮想通貨詐欺が横行している現状もある…。

 仮想通貨というものが登場し、今現在、決済可能な通貨として位置づけら始めたこと。

 これは所謂、Fintech=フィンテック=金融とITテクノロジーの融合から生まれたある種の金融商品と位置付けられるわけだが…。

 筆者はその背景にある新自由主義経済に伴う、金融至上主義が齎す、ルール度外視の利益至上主義に、大きな危惧を抱いている。

 さきほどの例ではないが、消費者の便宜、利益と結びつけ、のべつ幕無しに、口座獲得に動くであったり、無知で、無防備な生活者に割って入り、強欲にその資金を持ち出すようなビジネスの横行が、果たして、本来の企業活動と言えるだろうか?と考え込んでしまう。

 前回のコラムで紹介した、“はれのひ”や“てるみくらぶ”のような信義を失った経営者が“自分さえよければそれでいい”と、経営者としてのあるべき姿を見失う…。

 旧来型の価値が揺らぎ、データ改竄などで、昨年は名だたる製造業企業の不祥事が相次いだわけだが…。

 確かに、既に旧来型の行き詰まりを見せ、“新しい価値”の創造は必須課題と言えるのだが、だからといって、アメリカに期を発した新自由主義経済による金融市場主義、強欲資本主義の台頭を許してよいのだろうか?

 これまで既得権益に守られてきた企業が、激しい競争や新世代企業の台頭に打ち勝つために、それを維持しようと躍起になる。

 また新たな市場創造と称して、消費者保護、顧客第一という精神が失われる…。

 商売とは何か?ビジネスとは何か?

 これからますます時代は変化してゆく…。

 このコラムの大きなテーマであるのだが、真摯にビジネスに向き合う人が向かわれる世の中であるために、何を行わなければならないのか?

 そこに明確な答えはないが、まずは、一人一人の経営者がまさに、“信義を尽くす”以外にない。

 

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