36.「激震、日本相撲協会!崩壊する“ガバナンス”。業界の常識は世間の非常識!“業界特有の文化”が足元を掬う。」 | 株式会社 鈴木商会

36.「激震、日本相撲協会!崩壊する“ガバナンス”。業界の常識は世間の非常識!“業界特有の文化”が足元を掬う。」

 このところ連日、連夜、テレビのスイッチをONにすれば、報じられる大相撲における、日馬富士暴行事件問題…。

 被害者である貴ノ岩関や貴ノ岩関の師匠、貴乃花親方は黙して語らず、大相撲に関わりのあるとされる多くの識者、タレント、著名人の“憶測”に次ぐ“憶測”でこの問題が報じられることに、メディアへの違和感は募るばかりではあったのだが、加害者であるとされる大相撲の世界における最高峰の地位にある、横綱の引退という最悪の結末を迎えたことから、社団法人日本相撲協会という組織が今、危機的状況にあることが浮かびあがってくる…。

 この問題の真相はまだまだ闇であるが、一体、何が問題で、この事件から、企業経営、ビジネスにおいて我々は何を学ばなければならないか?を今回のコラムでは検証してみたい。

 

 1.業界の常識は、世間一般の非常識…。問われるモラルと危機管理…。

 

 人間が聖人君子であるとは思わない…。人は、時に様々なトラブルを引き起こしたり、巻き込まれたりしながら、日々を歩むものである…。

 横綱日馬富士が引き起こした暴行事件…。これはある意味、相撲界における伝統のもと、未だ水面下で繰り返されている、表面化しない、“可愛がり”とされる一つの風習、習慣であったのではないか?と筆者は推測する。

 もし、このような“事件”があったとしても表沙汰になることもなく、これまでは相撲協会内では穏便に幕引きしてきたのではないか?と思われる…。

 この悪しき、風習を断ち切るべく、刑事事件にまで発展させたのは、貴乃花親方の決断であり、勇気ではないか?と筆者は考える。

 相撲界で最高の権威にある横綱が引き起こした暴行事件で引退にまで発展したのは、元横綱朝青龍が引き起こした“一般の人”への暴力事件…。

 日馬富士自身も、まさか、かねてから弟のようにかわいがっていた、同郷モンゴルの若手力士、言わば愛する後輩に対して度が過ぎる制裁を下したとしてもこれだけの不祥事にまで発展し、自らが引退という結末を迎えるとは思ってもいなかったのではないか?と想定される…。

 貴乃花親方が、刑事告訴に踏み切った最大の要因とは、この相撲界に蔓延る、通例、風習、習慣が、今の時代の空気にそぐうものではなく、やはり改革の必要性があると考えたから、“公益社団法人日本相撲協会の組織内の事故”と済ませるわけにはいかないとの強い決意が、そうさせたのではないか?と思うのである。

 仮に、組織におもねるのであれば、明らかにこの事件はそれこそ“闇の中”に葬られ、序列の低い平幕力士の“権利”はタテ社会の中で侵害され続けるとの判断があったのではないだろうか?

 大相撲の世界は神事を起源とし、国技と崇められる特別な風習や習慣が、それを支え、一般の人にはなかなか理解できない常識や通念がまかりとおっている。

 それこそ若貴ブーム以降は相撲取りになりたがる若者は激減し、人気も低下気味…。モンゴル出身力士に依存せねば成立しない状況が続いている…。

 つまり、これ以上、一般の人々との感覚、常識の乖離が横行すれば、もはや大相撲など成立しないという貴乃花親方の強い思いが表れた、一連の騒動であったと、筆者はみている。

 ただ、貴乃花親方が、頑なに無言を貫き、事件の解明に関して、協会に対して一切の強力を拒んだことは、更に支障を与えたことも事実であり、公益社団法人日本相撲協会の理事という立場にある人の振る舞いとして本当に正しかったかどうかは疑問が残る…。

 ただこの姿勢を貫かねば、いみじくも、九州場所で、優勝し、事件にも同席したとされる横綱白鵬がそのインタビューで答えたとおり、“膿を出し切る”に至らなかったかも知れない。

 しかし、九州場所で賜杯を手にした角界最高峰の横綱からもこのような発言が飛び出るとは、如何に公益社団法人日本相撲協会が多くの問題を抱えているか?ということが容易に推測できるのである。

 公益社団法人日本相撲協会が抱える問題とは…。

 ・序列によるタテ社会で番付が絶対視され、下位者の自由や権利が損ねられている。

 ・古くからの風習、慣習にとらわれ過ぎて“新しい価値”への挑戦の機会がそこなわれている。

 ・守旧的な“タニマチ制度”が残り、“支援者”“協力者”への過度な“優遇”が一般社会からの更なる乖離を呼ぶ。

  などが上げられる….

さらにいえば、こうした不祥事発覚の際に、組織がまったく機能せず、事態の収拾にお手上げ状態だったことも大きな問題と言える。

 “ガバナンスの崩壊”という声が多く聞こえてくるが、そもそもガバナンスを維持するための明確な規定、規約があったのか?更にそれが現実に即したものであったのか?

 曖昧な言葉を重ね、伝統文化にという看板に依存し続けることでは、今の時代に即した組織運営は厳しいものであろうと容易に推測できる…。

 

2.これを機に何を改めなければならないのか?それを協会という組織が自覚し、改革を断行でいるか否か?

 

 “貴乃花親方による刑事事件としての告訴”や“日馬富士の引退”はある意味、改革へ導くための呼び水であり、この事件、問題は沈静化される方向には進むべきではない。

 不祥事、スキャンダルの発覚は、それを契機として、正しいあるべき姿とは

何かを模索して、道を正す以外に無い…。

 まず、“公益社団法人日本相撲協会”はすべての規定、規約を見直し、因習、風習に依存しない改革を断行しなければならないのだが…。

 伝統文化を継承する公益社団法人が、改革を断行し、新星の登場で今や空前のブーム巻き起こしているのが、日本将棋連盟。

 大山、中原といった巨星が消え、下火になりつつあった将棋ではあるが、谷川浩司、羽生善治、渡辺明、そして中学生でありながらデビューイヤーに29連勝という空前絶後の記録を残した藤井聡太の登場など、次々の新世代のスターが登場する。

 それはまず、“将棋の普及”という地道な活動を怠ることもなく、若い世代をターゲットとして捉え、将棋文化の継承のための努力に、大山が亡くなった後に協会を引き継いだ、中原、米長らの努力があったことであり、更に、将棋を開かれたものとして、若い棋士に権限や自由を与え伸び伸びと協会普請の戦力としたことがひとつの成功の要因である。

 将棋にも番付に似た“順位”という明確な序列が存在するが、仮に順位が下位の棋士の尊厳や権利や自由が阻まれるという風習や因習は既に失われ、若い世代が将棋の発展のために努力するという風土が根付いてきた。

 これは、数年来の先を見越しての、各棋士の努力が実を結んだもの…。

 果たして相撲界の現役力士が、相撲という文化の継承をどれだけ自分事として捉えているか?序列、タテ社会の中で組織が疲弊し、組織の危機をそれに携わるすべての者が抱いているかどうか?

 とにかく、そこに携わる者の意識そのものの変革が行われない限り、日本相撲協会の危機は延々と続くことになると予測される…。

 そして、これは決して他人事とは言えない、起業家、経営者にとっても、“ガバナンス”や、“危機管理”における教訓を多く示している。

 今年(2017年)は名だたる企業の隠蔽、粉飾、改竄など不祥事が表面化し、日本企業の混迷と疲弊、衰退が浮き彫りになった年ではないか?と思う。

 更にガバナンスに直結する問題としては、中小、零細には頭の痛い、「働き方改革」による、残業の制限や労務管理に関する様々な規制である。

 働く者の権利は最大に守られなければならないが、働いてもらう側の苦労は日に日に深まってゆくのではないだろうか?

 まず、組織として断行しなければならないことは、隠蔽体質からの脱却であり、多くのことを社内でも社外に対してもオープンに、透明化することが重要である。

 特に、財務体質や経営状況などを共有し、成員と危機感を共有することが重要である。

 中小、零細であれば、まさに組織の一体感、そこに根付く情熱こそが危機や困難を回避し、突破する原動力となる。

 メンバーのやる気、モチベーションこそが、“組織の宝”。

 体面や立場、プライドなど投げ捨て、真摯に組織の問題点や業務上の改善すべきことを忌憚なく洗いざらい話し合う場を持つことが重要になる。

 この厳しい景況下、待遇や保障の改善を行うことが厳しい中、組織として成員に何が提供できるのか?

 それは“やりがい”であり、仕事に挑む“愉しさ”であり、組織で働くことの“安心”である。

 透明化が行われず、上位者による密室の談義ですべてが決定し、それを支える成員に当事者意識が育まれていない…。

 そんな組織は長い歴史や知名度、看板があろうと、危機は訪れて当然。

 この公益社団法人日本相撲協会の混迷から、様々な学びを得て、組織の改革や発展に役立てる。

 それが経営者のみならず、ビジネスに携わる者の使命ではないかと、僕は思う…。

 

 

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