33. 経営者は何処に目標を定めるのか?定量的な数字も重要だが、定性的な目標の設定も重要。「あなたは何をもって顧客に価値を提供するのでしょうか?」 | 株式会社 鈴木商会

33. 経営者は何処に目標を定めるのか?定量的な数字も重要だが、定性的な目標の設定も重要。「あなたは何をもって顧客に価値を提供するのでしょうか?」

経営者のミッションは、「目標」を定め、それを実現するためにどう「行動」するかを示すことである。

 しかし、この「目標」の定め方を見誤る経営者がごまんといる。

 というのは…。

 経営者にとって厳しいのは、時点管理という会計制度。

 一期毎にどれだけの利益を出せているのか?で会社の評価は決まる。

 利益の確保が出来なければ、金融機関からの信用が低下し、運転資金の融資が受けられないという厳しい状況に追い込まれることになる…。

 従って、経営者は定量的な目標である「数字」を全面的な目標に掲げることになる。

 勿論、必達の数値目標を外すことは論外である。

 ただし、「じゃぁ、それを達成するためにどうするのか?」という質問を、成員、ステークホルダーにきちんと説明し、共有し、それを実践できるかどうかが大きな問題であり、ただ、ただ数字を挙げるためだけに、その“手段”に関する議論、対話、説明がなされなければ、「何をどうすればいいのか?」わからないままに、ただ闇雲に数字を追いかけることになる…。

 ただ、闇雲に数字だけを追いかけた結果、東芝は決算を粉飾し、自動車メーカー各社は、規定を守ることなく検査体制を進め、神戸製鋼は数字を改竄した。

 これらは極端な例かもしれないが、企業活動から“信義”が失われ、公正や倫理が失われるということである。

 では、どのように目標を設定すればよいか?ということなのだが…。

 起業し、経営に挑む際に、あなたがなにをもって、顧客に価値を提供し、企業として社会に貢献するのか?という創業の際の原点が重要になる。

 起業し、経営に挑むということは、単に収益を上げるためではなく、社会における自分の存在理由を明確にしたかった筈であるし、企業の義務たる社会への貢献を、何をもって果たすか?ということを真剣に考えた筈である。

 一度、その原点に戻り、数字以外の目標。

 つまり、“定性的な目標”をどう掲げ、それをどう行動指針と結びつけてゆくかが鍵になる。

 例えば、今は混迷を辿るヤマト運輸ではあるが、二代目である小倉昌夫氏は「規制と戦い小口宅配を民間で受注」し、「顧客の便益」の追求に普請した。

 またパナソニックの創業者である松下幸之助氏も戦後の混乱期に、「灯り(電球)を全世帯に普及させる。」という社会的な意義を掲げた。

 スティーブ・ジョブスもアップルコンピューターで「すべての作業を一つの端末で!」実現させるために、iPhoneをこの世に生み出した。

 つまり、経営者が企業の社会に対する意味、目的、使命、大義などをもう一度見直し、一体何をすれば企業が顧客や社会に貢献できるのか?を共有することが重要なのである。

 筆者は、かつて在籍した組織がある一定の成長を遂げ、やや閉塞に陥った際に、経営者の指示のもと、「目標の再設定と行動指針の明確化」という業務に携わった。

 ベンチャーとして飛躍的な成長を遂げた企業も、ある一定の時期を迎えると、創業時の気概や情熱が失われ、“低成長でも安定であること”を標榜するようになる。

 この組織はすべての成功事例を否定して、新たな事業創造にその道を模索した。但し、そのガイドラインとなるのは、「顧客のマーケティング活動における課題解決のソリューションの提供」からぶれることのないという条件で、執行役員以下、一般社員も含めて、「目標の再設定」を果たした。

 数字の上での飛躍的な成長には、直ぐに結果はでなかったが、組織に活力が戻り、若き才能は能力が開花。筆者が独立後、再び数字の上でもV字回復を果たした。

 このデフレ不況の景況下において、若い世代の報酬や待遇を向上させることは正直なかなか難しい…。

 そんな中で、成員の心を会社に繋ぎとめて置くためには何が必要か?

 それは「やりがい」であり、「達成感」であり、「使命感や責任感」、「志」という内面的、精神的な満足を、日々の活動の中で供与することにある。

 “それは、勝手に成員が掴むものだ!”と主張する経営者は、前時代的であり、守旧的としか言いようがない。

 とにかく、今、成長している、ベンチャー、零細、中小企業は、驚くほど、メンバーの声が明るく、自由闊達に会社のあるべき姿に関する議論、対話が為されている。

 そして、そこに必ず経営者の姿があり、しっかり傾聴しているのである…。

 今、様々なハラスメントが表面化し、ブラック企業と称される企業のほとんどが、経営者が、企業活動における理念を成員と共有していない。もしくは理念が形骸化されているという例が多い。

 経営者が成員を「兵隊」や「駒」と言い捨てるような、企業では豊かな人材は育たない。

 勿論、企業活動は、競争であり、戦いではあるが、その背景に、“誇れる何か?”がなければ、人は疲弊し、不満を抱え、離反する…。

 これは、筆者の経験なのだが、若く、経済合理性を重んじる経営者の書棚には、アメリカの経営学に由来する、マーケティング戦略の書籍が多く並ぶ。

 しかし、年輪を深め、安定的な成長を続ける経営者の書棚には、「哲学」や「心理学」、「宗教書」など、人の“心”に関わる書籍が並ぶ…。

 企業活動は誰と対峙してその歩みを進めるのか?

 それは“人”以外の何者でもない…。

 定量的数値目標以上に重要な定性的目標…。

 それを定める際には、もう一度、経営者自身が、その原点に立ち返ることが

重要である。

 失われた情熱や気概のもとで、人を奮い立たせることはできない。

 大義や信義を重んじ、正しく歩を進める。

 それが、経営者の使命である。

 

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