63.一連の日大アメフト部騒動に見る、“組織の迷走”~今の日本企業が直面する、“ひとつの病理”~ | 株式会社 鈴木商会

63.一連の日大アメフト部騒動に見る、“組織の迷走”~今の日本企業が直面する、“ひとつの病理”~

アメフトの試合に端を走ったこの事件、その詳細をここに示す気はさらさらないけれど、何が問題なのであろうか?

 一つ目は、悪質な反則行為を行った背景には、指導者の指示があったのではないか?という疑念が払拭されていないこと。二つ目は、悪質な反則行為という自覚を選手本人が抱いたにも関わらず、結局は反則行為を行ってしまったこと。そして、三つ目は良心の呵責から、反則行為を行った学生が非を認め、アメフトも辞め、誠実に謝罪を行い、背景に何があったのかを真摯に語ったにも関わらず、指導者側、日大側が行った会見はあくまで“組織としての正当性の維持”に拘ったこと疑念は更に深まり、また司会者による進行の妨げで日大は完全に、世の中からの信用や信頼を失ってしまったことにある。

 まず一つ目に関して言うならば、無垢で純粋な若者がある種の残虐な傷害行為を指導者の指示なく自分の判断で行うことは、考え辛いことであると同時に、このプレイを巡って、一部の報道に対して監督は自分の指示であることを認めているにも関わらずここに来て、組織としての面子、体裁に拘り、その非を認めないということで、色々と辻褄が合わなくなり、事態はますます混迷を深めている。まず、負傷した相手側の選手、保護者、チームに誠心誠意謝罪を行い、ことの経緯を正しく語る。結局、この判断の遅れが問題を拡大させ、収集が付かない事態へと発展させてしまった。問題発生時の正しい判断とそのスピード

 二つ目の問題。これは、反則行為を犯した学生のみならず、組織に生きる人間すべてが、胸に手を当て考えなければならないことである。仮に、組織として、不正であると、不誠実であること、信義に反していることに関して、権限や権力を持つ者から、指示を受けた際に、Noと言える勇気、ひいてはそれを告発する

勇気を持ち得ているかどうか?

 この事件、仮に、反則行為を行った学生が、信義を重んじ、アメフトというスポーツに誠実に向き合っているならば、このような事件には至らなかったし、事故も起きなかった。事件、事故が起こったことで、組織の不正は暴かれることになり、傲慢かつ不遜な指導者の態度が暴かれることになったかも知れないが、仮にその学生が怒りの声を上げ、周囲を巻き込み、権力に抗えば、革命的な日大アメフト部の改革が出来たかも知れない。

 問題の本質は、ここにあると僕は思っている。

 そして3つ目の問題。反則行為を行った学生の真摯な対応は、“日大生”を救ったが、監督、コーチといった指導者の会見、そして、この会見の進行を行った広報担当者の傲慢な態度、そして昨日(2018525日)行われた学長の会見のすべてが、まさに日大ブランドの失墜に至らしめた、本当に酷いモノであったとそう思う。

 何が酷いと感じさせたか?結局、記者の質問に対して、コーチ、監督がまったく的を得ない回答を繰り返すばかりで、結局、「この人たちにはコミュニケーション能力そのものが欠如している。」と認識させることになってしまった。なぜ、

記者から想定される質問に対する答えを用意することが出来なかったのだろうか?なぜ、すればするほど、日大という組織の権威が失墜するような発言を繰り返すことになったのだろうか?

 “選手への指示はなかった”とすれば、組織としての正当性が維持できるとでも思っていたのだろうか?教え子を追い込み、守ることもできず、あのような会見を当事者である学生に行わせてしまったこと自体、もはや組織としての正当性など何処にもないわけであり、この御に及んでも、「指示の有無」ばかりに拘ったこと自体が間違い。それよりも大切なことは、自分たちの歪んだ指導の結果としてこういう事態に行きついたことへの謝罪と反省のみを行うことであり、弁解や弁明、釈明を行えば行うだけ、信頼が失われてゆくという事を理解していない点が痛い。更に、この会見の進行を妨げた司会者も、“余計な質問をさせたくない”という余計な配慮が、日大の面子を丸潰しにしてしまった。

 昨年来続く、国会における、政府答弁の迷走にも動揺のことが言えるのだが

、一つの真実に対して、異なる二つの見解が現れたとするならば、それはどちらかが嘘をついていることになる。そして、その“嘘”を正当化しようとすればするほど、更に辻褄が合わなくなり、更なる不正や改竄、隠蔽が起こる。

 そして、そうしたまさに負のスパイラルから抜け出せなくなり、どんどん信義が失われてゆく。

 バブル崩壊~構造改革~新自由主義の台頭~経済合理主義への偏重で今、何が起こっているか?それは、“利益の追求のためのモラルハザード”である。

 利益とは、本来、実直に信頼を重ねてきた成果として齎されるものである。

 しかし、株主利益至上主義のもと、企業が常に株主からの“評価”に対象となると、“問題”、“課題”、は封印され、“良い結果”、“成果”だけがオープンにされる。

 でも、“問題”や“課題”を明るみにしないまま、良い結果、成果だけをオープンにすることこそ、投資家、株主の判断を歪める悪事であることに気付いていないという経営者は多い。

 しかしながら、本来は課題、問題をオープンにし、その解決のための努力が、社員のモチベーションとなり、ドラマが生まれ、イノベーションが起こる。

 我が故郷、広島のマツダは、様々な試練、困難に立ち向かいながらロータリーエンジンを世に送り出すというイノベーションを創造できた。

 その創造が糧となり、今、世界の環境基準への適合も目指す、スカイアクティブエンジンの開発に成果を見せている。

しかし、今、この日本の漂う、陰鬱なペシミズムからの脱却を目指すに必要なのは、こうした健全なイノベーションへの意思と情熱である。

 ただ、“自分のせいではない。悪いのはすべて、部下”なんてことを言い続ける上司がはびこる組織からは、イノベーションは生まれない。

 今、ここで必要なのは、内向きな組織のエナジーをいかに外に向けるか?

 それが、今、問われている、経営者の使命であると、僕は思う。

 

 

 

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