15.世代間意識格差をどう埋めるか?都議選で敗れた自民党中村あやさん(27歳)の敗戦の弁にみる、若者世代の肌感覚 | 株式会社 鈴木商会

15.世代間意識格差をどう埋めるか?都議選で敗れた自民党中村あやさん(27歳)の敗戦の弁にみる、若者世代の肌感覚

“草食系男子”や“の”肉食系女子“、”ゆとり世代“など、時代を象徴する若者世代を表す言葉が氾濫しているが、筆者も20世紀バブル末期に青春の時を過ごし、”新人類“と称されて、団塊世代の上司たちに奇異の目で見られたものである。

 そんな筆者も40代を過ぎ、かつては広告会社の中間管理職として部下を預かる立場になり、部下の教育、育成という課題に際して、こうした世代間ギャップに悩んだものである。

 さて、今、筆者がこのコラムを執筆しているのは、2017年の東京都議会銀選挙が自民党大敗に終わり、様々な総括がなされようとしている7月5日である。

 時代環境が大きく変わり、若者世代の価値観も大きく変容する中で、先の東京都議会議員選挙において、千代田区から都議会のドン、内田茂氏の後継として自民党候補者として立候補しながら、落選した中村あやさんの敗戦の弁に多くの注目が集まった。

【都議選】自民党候補・中村あや氏の敗戦の弁が話題「(自民党は)人を罵倒したり、お金の問題、恋愛問題、国民の信頼を失い恥ずかしい、情けない」

http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/31669

 

 筆者もこのことを自身のFaceBookの投稿で取り上げたのだが、筆者の年代以上の人々からは、中村氏に対する批判の声が相次いだ。

【都議選を振り返って…。~注目の出来事 その2 敗者は黙して語らずというが、”怒り”をぶちまけた自民党立候補者~】

 この投稿に対して筆者以上の世代の方々から、彼女の立場上、“恨み節で上司を批判するべきではない。”とか“生意気である”とか鼻持ちならん小娘“とか、” スタートが、すでにズレてる。もーちょい勉強された方が、よろしいかと。“まさに・・・部外者みたいな発言にビックリ‼️”という批判が寄せられる一方、“この意見はマトモでしょ。誰が言ってもいいでしょ。正しい事を敗者が言おうと勝者か言おうと、正しいことは正しい。誰がということは、関係ない。これを以て生意気とはどういうことだろ。世代も関係ない。同じ民意を代表する、まして地方行政と国政、党代表、大臣クラスなら尚更っていってるだけでしょう?? それを彼女は恥ずかしいと言ってるだけ。マトモで

非難されるべきことはないとおもうけど。“という意見も出た。

 果たして彼女の発言は非難されるべきことなのであろうか?それとも支持されるべきことでろうか?

 この問題を、組織経営における“世代間意識格差をどう埋めるか?”という観点から少し掘り下げて考えてみたいと思う。

 

1.ガバナンス崩壊という点からすれば中村あや氏の発言は許されない

 

 中村あや氏の敗戦の弁。「脇が甘いというか、常識がないというか、「(自民党=所属する組織の人間は)人を罵倒したり、お金の問題、恋愛問題、国民の信頼を失い恥ずかしい、情けない。」

 この発言自体、実に、今の自分が属する組織の問題点を暴露し、冷静に分析した内容であり、決して、問題があると、僕は思えない。

 ただ、組織に属する者として、仕事における大舞台に立ち、結果を残せなかったことに対する発言としては由々しき発言であると僕は思う。

 何が問題なのか?中村氏ははっきりとは語らなかったが批判の対象である、(自民党=所属する組織の人間は)の部分に問題がある。

 仕事上、どんなに辛い結果が齎されたとしても、組織の成員として、組織の先輩、上司、管理職、役員、代表を批判する発言が外に漏れる…。

 これは、如何に、その成員のロイヤリティが組織に向いてないかを象徴する発言であり、この発言を組織としては本来許してはならない。

 それはある意味、彼女自身の未熟さを露呈するものであるし、更に、組織としてガバナンス=統制が取れていないということで、顧客、ステークホルダーの信頼を大きく失う一言になる。

 彼女自身に問題があるというよりも、そうした基本的なことに対する指導、教育、育成がなされていない組織に問題があり、ここで批判されるべきは、彼女自身というよりも、彼女が属する組織である株式会社自民党に問題があるといえるのではないだろうか?

 若手社員が、自由闊達に、前向きな発言を行うことはむしろ+に物事は動く。

 しかしこうしたネガティブな、組織にとってマイナスとなるような発言を許す土壌を組織としては創ってはならないのである。

 

2.若者世代の本音。もはや先輩、上司、管理職、役員、経営者は尊敬や崇拝の対象ではない。

 

 ただし、これ、表にでる話ではなく、失策続きの上司、管理職、経営陣に対して、社内会議の場で発せられた批判となれば、評価はまったく異なる。

 もし、僕が経営者であれば、彼女がこうして痛烈に内部批判を行ったことに賞賛と賛美の拍手を送り、自身の行為、行動、発言を悔い改めて、反省し、具体的な改善案を提示しなければならない。

 こうした、若手社員からの不満の噴出を問題提起と捉え、それを改善することこそ、経営者の仕事であり、統制を取るためといって、若手社員が委縮し、軋轢を恐れるような風通しの悪い組織を構築することの方が、経営者としてはマイナスである。

 まず、かつては新人類と呼ばれた我々世代は、組織において現場をひた走る、20代、30代の若手メンバーとの意識の違いをまず、理解しなければならない。

 彼らが青春の時を過ごした、20世紀バブル崩壊後の今に至るまで時間を育ってきた世代は、“失われた時間に育ってきた失われた世代”なのである。

 バブル崩壊以降の日本は、デフレ不況に苦しみ、閉塞と混沌が続き、格差や貧困が顕在化し、彼ら、彼女たちは厳しい時代に育ってきた。

 つまり、バブル世代と称される我々世代以上の人間が多くのカネを闇に溶かし、後世への遺産を何も残していないことに対する、軽蔑と侮蔑、怒り、恨みのキモチは非常につよい。

 更に、彼らが育ってきた中における時代の寵児とはホリエモンこと堀江貴文氏に象徴されるような拝金主義的カリスマ経営者である。その背景には日本型経営における年功序列や終身雇用が崩壊し、アメリカ型の新自由主義と金融資本経済至上主義が台頭し、競争に打ち勝つ自身の資質、能力の向上こそが社会で打ち勝つための普遍と考えているので、実に合理的であり、功利的である。

 従って、彼らに今更武士道の精神や、忠義、信義、礼節、礼儀を説いても、それが、成果、結果に繋がらなければ、何の利得も感じ得ないのである。

 実際に、ある程度の競争をかいくぐってきた若者世代のIQや能力、資質は高いと、実際に管理職を経験した僕も実感した。

 更に言えば、デジタルネイティブで黒電話やFAXでのやり取りを経験もせず、スマフォ、タブレットとPCを軽やかに使いこなし、いつでも、自分を暖かく迎え入れてくれるコミュニティをS.N.Sなるバーチャルな人間関係の場で構築することにも長けている。

 従って、先端ITに疎く、まともにPCやタブレット、スマフォを使いこなせない人々に対する嫌悪や軽蔑も激しいモノがある。

 しかし、リアルな人間との対峙、価値が相反する人間との対話、コミュニケーションに慣れのない彼ら、彼女たちは、人を引き付ける強い人間としての魅力や奇抜な独創性、人の痛みや傷を理解する優しさは大きく欠けている。

 

3.そんな若者世代とどう対峙すればよいのか?~これからの人材教育、育成の方法とは?~

 

 ①上司、管理職、役員、経営者は“バカにされない!”存在であれ!

 先にも述べたように、新たに会社を支える若い世代の中で、意欲と能力に溢れる人材は、知識もあり、情報も持ち、様々なスキルを保持している。

 規範を示すべき、上司、管理職、役員、経営者はまず、彼らに負けないだけの意欲、能力を示さねばならない。

 それは何も、パソコンスキルの向上とか、ITの最先端を理解しろという話ではない。

 上司であるならば、彼ら、彼女たちの報告、相談、連絡にしっかり耳を傾けて、適切は判断を行う。評価すべきことは評価し、課題は課題として明示する。管理職であるならば、管理職として、公明正大な人事や処遇、待遇を行い、役員、経営者は、会社の方向性、戦略を明確に示す。

 かつての年功序列や終身雇用というのは、ある意味、若い世代に我慢や試練を与えることに十分寄与したが、それらが崩壊した今、もはや、彼ら、彼女たちの不満や疑問を封じるだけの力は会社にはない。

 互いが切磋琢磨し、緊張感を維持しながら、自身の能力を最大限に発揮することが、それぞれの役職の人間に求められるのである。

 

②人間力の重要性を背中で見せろ!

 仕事が仕事として成立するには、その人の持つ人間力が大きく左右するということを、経営者に近い立場になればなるほど理解できる筈である。

 普段の付き合い、気配り、配慮の積み重ねが、時として大型案件の受注に発展することもあるだろうし、トラブルや課題、問題が発覚した際の真摯なる対応とは人間力に起因する。

 こうした、「仕事は人なり」というシチュエーションを意識的に、若い世代に経験させ、そこで得る歓びを理解させることが実に重要である。

 

③失敗、挫折を経験させろ!

 人間力の重要性が問われるのは、失敗や挫折をした瞬間にある。失敗し、挫折した際には上司や周囲が支え、それをリカバーするというシチュエーションが現れる。つまり、単なる知識や情報で報われることのない機会を与え、人に学ぶことの大切さ、謙虚であることの重要性を学ぶ機会を多々与えることが必要である。

 

④自由闊達な議論、対話を認めろ!

 冒頭の論題に戻るのだが、不平や不満、課題や問題が、社内で噴出することはむしろ歓迎されなければならない。これが、上司や管理職の知らないところ、“影”でささやかれたり、今回の中村あやさん問題のように表に出てしまっては組織として最悪な末路を迎えなければならない。

 こうした、議論や対話が、日々業務の中で平然と出来る雰囲気、空気を創ることが重要である。

 いつも評価の対象とされる若手世代であるが、時に評価の上司、管理職、役員、経営者を評価する機会を与えてもよい。

 実際にこのような評価を制度化している組織は多数ある。

 こうした風通しの良さは、今の企業経営に必須と言えるであろう。

 

終わりに

 時代は進化し、変化する。更に“今どきの若者”も、時代、時代によってその個性、資質は大きく変容する。

 大切なことは、それらを「あいまみいれない価値」として相反し、背中を向けるのではなく、きちんとそこに理解を示そうという意思を見せることが大切なのである。

 当然、世代が異なれば、価値観は異なる。それらをすべて理解する必要もない。ただ、きちんと、そこに襟を開き、耳を傾ける。

 その姿勢が重要なのである。

 朝礼の際、古びれた経営理念の唱和に、若手社員があくびをする。

 そんな、会社はある意味、危険信号が灯っていることを理解しなければならない。

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