第2回 リーダーは本当の豊かさとは何かを知る必要がある…。佐藤美由紀著 『世界で最も貧しい大統領ホセ・ムヒカの言葉』 | 株式会社 鈴木商会

第2回 リーダーは本当の豊かさとは何かを知る必要がある…。佐藤美由紀著 『世界で最も貧しい大統領ホセ・ムヒカの言葉』

世界で最も貧しい大統領

 

    2008年に起こったリーマンショック。アメリカの金融至上主義に立脚した強欲な資本主義が生み出したサブプライムという金融商品。世界はそれに翻弄され、破綻と共に全世界は混乱。日本でも、多くの金融、不動産企業が市場から姿を消した。

 一体、どうして、そのような事態に陥り、どうして多くの企業が姿を消さなければならなかったのか?

 それは実質経済に目を向けず、金融経済に重きを置き、利鞘稼ぎに傾倒し、本業を怠った経営者が山のように存在し、山のように消えていったからである。

 モノづくり大国日本はやはり、モノづくりに主眼を置き、激烈な諸外国との闘いに勝ち抜くために、研鑚努力を行い質が高く、競争力の高い価格で提供することが本質である。

 にも、拘わらず、努力と研鑚を怠った製造業は今や、窮地を迎えている。

 東芝、SONY、サンヨー、シャープ

 一世を風靡した日本の家電業界の雄たちは、韓国、中国、その他NICS諸国の猛追を許し、IT部門においてもアメリカの強大な資金力と先端技術の追求に叶わず、日本経済はますますの停滞を余儀なくされている。

 新しい価値の追求、新しい発見も重要ではあるが、本質的な、プリンシパル=原理原則を見誤っている経営者の方々も多く存在するので、今回は経営者の本質的な資質を問う、恰好な書籍を紹介したいと思う。

 今回、取り上げた、『世界で最も貧しい大統領ホセ・ムヒカの言葉』に関しては、ある程度の知識、教養を備えた経営者の方々なら、この書籍の主人公が誰であり、何者なのか?ということをもうお判りだと思う。

 そう南米の中で、農産物、畜産物の輸出立国として、弱小国であるにも関わらず、存在感を示す、ウルグアイの大統領を務めた人の言葉が並ぶ名著である。

 ここでも、紙面の都合もあり、すべてをここに掲載する気はないので、まだ、未読という方はぜひ、読了頂きたい。

 「他者を豊かさに導くためには、まず自分が豊かでなければ、それは成立しない。」という論理に縛られている経営者の方々が多数存在することを僕は知っている。

 しかし、自身が決して経済的な豊かさを持ち得ていないにも関わらず、国民に“豊かさ”を享受させたのが、このホセ・ムヒカ氏である。

 彼は、こう言う。

「私は貧乏ではない。質素なだけです。」

 経営者といえば、黒塗りのハイヤーに自宅はタワーマンション、毎晩、関係者との高額な食事を摂取し、余暇は海外旅行を愉しむなど、贅沢三昧に振る舞えるものと思い込んでいる人も、多いだろうし、実際にそのような生活を愉しんでいる若き経営者も多いことを僕は知っている。

 20121019日東証マザーズに上場、その際最年少上場女性社長としてメディアに取り上げられた経沢香保子氏もその一人だが、ブログやソーシャルメディアでの活動で注目されたマーケティング集団トレンダーズは、クライアント、マクドナルドのキャンペーンの際に行った、プロモーション手法が「やらせ」による、ステレスマーケティングだ!という批判を受け、業績は急遽低迷し、GMOの熊谷氏、サイバーエージェント藤田氏の支援を受け、結局はGMO、サイバーエージェントの傘下に入り、代表取締役を辞任し、別会社の代表に追いやられるという結末に至った。

 金融至上主義に酔い、マーケティングの本質を理解せず、似非的手法に走り、経営者のメディア露出等によって話題だけは先行させたが、実力が伴わず、企業経営を失敗に導いた張本人。都心の瀟洒なレストランでの会食を描いたブログに、憧憬を重ねた人も多かったが、結局、経営者が華美な贅沢に走り、身の丈以上の生活を送ろうとすると破綻が来るというわかりやすい事例である。

 ホセ・ムヒカ氏はこのことに対する警鐘を鳴らすかのように、以下の言葉を残している。

「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」と

 ホセ・ムヒカ氏が、来日した際に、日本の政治家、官僚、財界人が、パナマ文書に登場し、租税回避にタックスヘイブンを活用していることに言及し、批判を傾けたことは、20166月号の文藝春秋にも取り上げられている。

 ITバブル以降、こうした金融至上主義に立脚し、私利私欲に走り、暴利をむさぼり、それを社会に還元しようという姿勢に欠ける経営者が増えたのも事実であり、彼ら彼女たちの姿勢、態度こそ、格差社会や貧富の差を拡大させる元凶となっているといっても過言ではない。

 考えていただきたい

 今、社業が成立し、経営できているのは一体なぜか?

 それは顧客に尊ばれる、商品やサービス(情報やノウハウ)を提供し、顧客からの喜びを得て、社会に貢献している賜物である筈である。

 自分のことはさておき、顧客や成員、ステークホルダーを第一義に考え、思考、行動するのが、経営者本来の在り方であり、自分の利益など犠牲にするのは当たり前!

 ホリエモンこと堀江貴文氏も、ライブドアで粉飾決算を重ね、出資者、ステークホルダーに嘘をつき、本人は贅沢三昧をして過ごしたつけは、収監、逮捕により高いツケを払わせられることになった。

 堀江氏をロールモデルとして起業を志した人も少なくない。

 「カネで買えないものはない。カネがすべてだ。」と明言する堀江氏の逮捕前は、ホセ・ムヒカ氏との対極にあった。

 (とはいえ、最近、堀江氏は改心したのか、慈善事業や宇宙ビジネスなどに参入し、新たな挑戦を行っていることに筆者は好感を持っている。)

 昨今の経営者が、顧客、成員、ステークホルダーを置き去りにして、自己の利益、自身の財産、自身の資産を拡大かすることに走る傾向にあることを僕は潔よしとは思わない。

 「経営者であり、利益を出したのであるから当然である!」という主張も聞こえるが、利益は一体だれが齎してくれたのか?顧客であり、現場で汗水たらし全力で業務に取り組む成員であり、様々なサポートを行ってくれるステークホルダーである。

 時代は異なるが、社会課題の解決に普請し、ビジネスで社会を発展に導こうと、努力を重ねた経営者が、成功を収めた。

 成功とはある意味、社会に普請したことに対する恩賞だった。

 ナショナルの松下幸之助氏、本田技研工業の本田宗一郎氏、京セラの稲盛和夫氏、旭化成の宮崎輝氏、ヤマト運輸の小倉昌男氏

 中曽根臨調で行政改革に取り組んだ、土光敏夫氏もそうだった。

 彼らに共通し、ホセ・ムヒカ氏に通じるのは、私心をして、広く、社会に貢献しようという高い志にある。

 経営や事業の継続はボランティアではない。したがって利益の追求は、企業の必須の命題である。

 しかし、何をもって利益を獲得するのか?ということについてはその本質に対する深い論考を必要とする。

 経営者が何も聖人君主であることが求められるわけではない。

 ここに挙げた人々、そして、ホセ・ムヒカ氏に通じるのは、泥臭いまでの人間臭さ、人間としての強い魅力にあふれ、志に対する熱い情熱とぶれない強い意志を持ちつづけてきたことにある

 広告会社時代から、多くの経営者に接してきた筆者であるが、結果を残し、ある種の成功を残す経営者に共通して言えるのは、他者との関係性を大切にし、感謝や笑顔を絶やさない人であること。

 “取引”や“駆け引き”に長けている人ではなく、他者を慮り、優しさや思いやりを他者に傾けることが出来るか、どうか?

 経営者となり、孤独に苛まれ、神輿の上に担がれると、本質的な視線を失うことに成りかねない。

 経営者とは、絶えず、困難と課題に接し、それを解決するのが使命。

 何も、贅沢三昧、思いのままに日々過ごせるのが経営者の特権ではない

 

 

 

 

 

 

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