58.昨今の“セクシャル・ハラスメント・スキャンダル”に思うこと~問われる、コミュニケーション能力と危機対応力~ | 株式会社 鈴木商会

58.昨今の“セクシャル・ハラスメント・スキャンダル”に思うこと~問われる、コミュニケーション能力と危機対応力~

 財務省における官僚トップのセクハラ問題、厚生労働省でも発覚した部下に対する上司のセクハラメール送付、ジャニーズ事務所所属の人気アイドルによるセクハラ行為など、今、報じられるニュースのほとんどが所謂、セクハラスキャンダルによるもので、正直、これに関する報道が繰り返されることに辟易している…。

 まず、こうしたセクハラへの抗議活動は今、世界的一つのソーシャルムーブメントともいえる#me too運動に連動して、性被害、性差別に遭遇した人が泣き寝入りすることなく、きちんと声を上げ、それを今後払拭してゆくためにも、とても重要なことだと筆者も感じる…。

 しかしこの問題がデリケートかつ非常に難しい問題であるその理由は、その定義が曖昧で、更に言えば結局のところお互いの“信頼の度合い”や“普段のコミュニケーションの在り方”に要因があり、仮にセクハラとされる行為に対して相手の理解や許容があれば問題になるものではないという事にある…。

 そして、今、企業ではセクハラ防止策の実施ということで、急遽、社労士等の専門家によるセクハラ防止講習などが行われていることも、よく見聞する。

 更に、その内容を知ると、もはや公的な場における異性との会話、メールでのやりとりに、何か仕事以外のことを話題にすることはもはや不可能ではないか?という事を感じるのである…。

 僕がまだ組織内に留まっていた時、僕は割と積極的に異性である部下、後輩、そして取引先の御担当者の方々と飲食する機会ももったし、仕事以外の話題を口にすることもあった。そのことで円滑なコミュニケーションが維持できたし、発展したようにも思うし、こうした「飲み会」は相手方にも歓迎されたし、組織を離れた今でも、そういった人たちとの交流が続いている。そして、勿論、その行為によって相手方からクレームとされたこともなければ、セクハラ被害を訴えられたこともない。

 けれど、もし、今、その立場にあり、こういう時代の趨勢なるものを見聞きすると、もはや、こうした活動が行えるかどうか…。

 もう今から4年以上前になるが、そういった飲み会を行った際に、相手方からのクレームもなく、決して被害を訴えられたわけでもないにも関わらず、こうした活動に対してとある役員から自重を促されたことがある。

 監督上司からすれば、「何か事が起こってからでは遅い」という判断なのだが、当たり前のことであるが「相手が不快になる行為や発言など」は行うことなど毛頭ない場であったので、正直、その判断には憤慨したと同時に、ある種円滑なコミュニケーションを維持することへのモチベーションまでも奪われた気さえした…。

今、僕が危惧するのは、ただでさえ、世代間の断絶なり、上司と部下、組織内のコミュニケーションが円滑化していない状況において、過度なセクハラ防止策が本当に有効かどうかということである。

まず、重要なことは、組織内で課題や問題を解決するためには、お互いが忌憚なく意見を述べ合えたり、遠慮やわだかまりなく仕事を進めるために必要なムードメイクや環境の整備であり、それは時に、仕事以外の場から生まれて来ることもある。酒席がそれにふさわしくないのであれば、酒を伴わないランチでもよいだろうし、茶話会だっていいだろう。もし、何か、一緒に取り組めるイベントがあれば、それを実行するのもよいだろう…。

そして、もう一つ大切なことは、あくまでもそういう場は“傾聴する”に重きを置き、自分の意見や主張、志向などを押し付ける場であってはならないし、性的な話題に触れる事も当然避ける必要がある。

世の中こうしたスキャンダルが取り上げられるからといって、コミュニケーションを非とせず、やはりそれを日常に取り入れることが出来なければ、円滑な組織運営なるものは出来ないと思うのだが、どうであろう?

もうひとつ、これらの一件で思うのは、セクハラ発覚後の対応に関して、である。もし仮に、相手方がセクハラだと訴えたらそれはもうセクハラであり、もはやもう弁解の余地もない…。

 今回、財務省の対応には批判の声が上がっていて、それが大きな波紋を呼んでいる。事務次官がそれを認めないまま、相手に謝罪もなく、辞任。更に上司である財務大臣が“はめられた可能性もある”など発言し、財務省による減給処分で、区切りを付けようとしている。

 また、アイドルタレントに関しても、相手方に対する謝罪、償いに関して誠意を示すわけでもなく、「また、(グループの活動に)戻りたい。」などと発言してしまえば、それは、もう、不信をかうのは言うまでもない…。

 自分も含めて、企業で責任ある立場にある者、がもし仮にこうした事態に遭遇したとするならば…。

 まず、考えなければならないことは“保身”でも“未来”でもなく、全身全霊でお相手の立場になって物事を考えるという事ではないだろうか?

 Do The Right Thing…。

 しかし、今、問われているのは、まさに物事に向かう際に正しい選択とは何か?そのバロメーターを改めて見直す必要があるのだと思う。

 

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